———ぼす、っとベッドに沈みかける。


数秒してから、押し倒されたのだと気づいた。





「......約束? そんなことしたのか」


「ち、ちがっ......」


「どこがどう違うんだよ」


「うっ......」





言い訳しようとしても、言葉で返されてしまう。

せ、正論......っ、何も言い返せないぃ......。


心の中で泣き言を言っていると、上から息が落ちてきた。

溜息じゃない、やさしい息の付き方。

どう、したんだろう......。

そう思う間もなく、顔が近づく。



そして———唇が重なった。





「っ......!?」


「......」





混乱する。

思考が止まって、頭の中が真っ白になる。

......キ、ス......?

チュッと軽く触れた唇が、今度は何度も何度も、角度を変えて口づける。





「待っ、てっ......叶、」


「待たない」





即答で返される。

待たない、って......。





「ふ、ぁ......っ。んん......っ」


「......和乃、もう夜に外出ちゃだめだからね」


「ん......で、もっ......」


「でもじゃない」





閉じた唇の隙間から、激しい熱が入ってくる。

甘くて、激しい刺激が口の中を襲った。