*・̩͙⋆
「......ん......」
ゆっくりと、重い瞼を持ち上げる。
光が入ってきて、そのまぶしさに目を細めた。
え......あれ? ここ、どこだろう......。
周りを見ると、知らない場所だった。
制服を着てたのに、今ななぜかパーカーを着ている。
......ていうか、何があったんだっけ。
確か、取引をしている男の人を見つけて......銃を向けられてた人を、かばって......そして......動けなくなってたら、叶が来てくれて......。
「そのまま、意識失っちゃったんだ......」
......でも、そういうことなら、ここは......叶の部屋?
黒と白で統一された、シンプルだけど使い勝手のよさそうな部屋。
その部屋の中の、ベッド。
そこで、静かに天井を見上げていた。
ガタっ。
そんな音が聞こえてくる。
上半身を起こすと、からり、と音がたった。
「和乃......っ」
「......叶?」
名前を呼ぶと、ぎゅう、と抱きしめられた。

