「おぅ......、これ例のブツで、だから、」


「本物か?」




何だか闇の取引が行われている。

全身真っ黒な服の男の人。
それと、もう一人。なんだか脅されてそうで、すごく怖がってる。





「本物です......っ!! だから、俺の家族を返して下さ———」


「......何口答えしてるんだよ。やっぱやめだ」


「え......っ」


「あんたの家族、今、何も食事与えてないんだぜ?」


「い、っ週間も......っ。やめてくださいっ、なんだってするから家族だけは———」





脅されてる男の人が、そう言いかけたのを遮って、何かが音を立てた。



—————ジャキッ



銃を構えた音だ。


ひえええええっ......銃ってなんで持ってるの、禁止されてなかったっけ?


無理無理無理......っ。





「無理いいいいいいいいいいいいいいいっ」





小声でそう言いながらも、体はすでに動いていた。


突如現れた私に驚いている、脅された男の人。

銃の引き金に指かけているのが見えたから、脅されている男の人の足を振り払う。

その男の人はスルリ、とこわくて動けなかったのかあっけなく地面に倒れて。