これはE組全員が由香里をイジメの道へ陥れるために仕組んだことだったのだから……。


その事件については先生意外の、他の学年の生徒たちにもあっという間に広まることとなり、事実を知らない生徒たちからのイジメが開始された。


無視や持ち物にらくがきすることは当たり前として、由香里の写真を合成してばらまいたりという事件も何度か起こった。


それは合成だとすぐにわかるような陳腐なものだったけれど、偽物だとわかりながら生徒たちは由香里をさげすんだ目で見つめた。


「いつ死んでもいいし」


ある日由香里はリストカットした手首をなでながらそう呟いていたけれど、その言葉を聞いた生徒はごくわずかでしかなかったのだった。