教室後方に座っている少し派手なグループの子たちもみんな笑顔で、良さそうなクラスだというのが第一印象だった。


それなのに……。


休憩時間になり、由香里に声をかけてくる生徒は誰もいなかった。


由香里から声をかけようとしても、すでにできているグループに入るのははやり難しい。


それでも由香里は諦めなかった。


元気に挨拶していれば、人当たりよくしていればきっと友達ができるはず。


成績のいい由香里は先生からほめられることも多く、それは自身にもつながっていた。


「転校生のくせに調子乗ってるよね」


そんなことを言われているとも知らずに、由香里は毎日笑顔を絶やさなかった。


「友達もできてないくせにニヤニヤして、気持ち悪い」


成績がいいことの嫉妬から始まり、友人ができなくても前向きに明るいことへの批判が始まってしまったのだ。


その陰口は由香里の知らないところであっという間に広まっていき、気がつけばE組の中で由香里と仲良く会話する生徒は誰もいなくなってしまった。