由香里の体は完全に力を失っていてずっしりと重たく、そのまま一緒に倒れ込むようになってしまった。


どうにか由香里の体を横にして呼吸を確認しようとしたが……。


見開かれた白目。


力なく開いた口。


動かない胸を見ると死んでいることは一目瞭然だった。


洗面台には蓋がされていて、今でも水が流れ続けている。


殺された……!!


真っ先に浮かんだ言葉がそれだった。


由香里の死に方はどう考えてもおかしい。


水のたまった洗面台に、誰かから顔を押し付けられている由香里の姿は安易に想像できるものだった。


そしてその誰かは……。


「黙ってろよ」


その言葉に結と明日香は同時に視線を向けた。


女子トイレの入り口に立っているのは毅と哲也のふたりだ。


結の体からすーっと血の気が引いていく。