この施設に閉じ込められて不安定な心理状況の中、更に死体写真について説明してしまったのは自分なんだから!


それでも結は次の言葉を次ぐことができなかった。


誰かこの中のひとりくらいは結のことを信じてくれるだろう。


だけど、他の人たちは?


結が人殺しだと思ってしまう。


グルグルと思案する中で、裕之がビルの屋上から飛び降りた光景が脳裏に思い出されてきた。


結を助けるために、自ら犠牲になった裕之。


結は裕之を助けることができなかったのに!


「イヤァ!」


当時のことを鮮明に思い出してしまった結は悲鳴をあげてその場にしゃがみこんでしまった。


両手で頭を抱えてガタガタと震えだす。