血を止めるために頭部に触れてみると、ベットリと血が絡みついてきた。


次から次へと流れ出る血を止めることができなくて、涙が滲んでくる。


「お願い大河、目を開けて!」


もう、大切な人を失うのは嫌だった。


これ以上私を1人にしないで!


そんな思いで上着を脱ぎ、大河の頭部に押し当てる。


だけどそんな行為は気休めにもならなかった。


「どけろ!」


泣きじゃくる結を後ろから毅が突き飛ばすようにしてどかした。


そして大河へ向けてスマホを構える。


結は唖然としてその様子を見つめていた。


「なにしてんの……?」


「見りゃわかるだろ。回避するんだよ」


毅は大河の体の向きを変えてできるだけ自分に送られてきた写真に近づけようとしている。


「やめてよ! そんなことしないで!」