「ふたりともやめて!」


どうしてこんなことになるんだろう。


せっかく大河が戻ってきてくれたのに、こんなんじゃ意味がない!


その瞬間、大河が足を滑らせた。


そのまま後方へ転倒し、ガツンッ!という鈍い音が響く。


一瞬、結も毅も時間が止まった。


大河は倒れたまま動かない。


その頭部には岩あり、血がついている。


「嘘……そんな……」


声が震えてまともな言葉にならない。


結はふらふらと倒れそうな足取りで大河へ近づいた。


ぶつけた頭部から血が流れ出していて、目はしっかりと閉じられている。


「大河! 大河!」


叫んで体を揺さぶってみても大河は目を開けない。