風雨にさらされる哲也の遺体をどうすることもできず、結と毅は元の道に戻ってきていた。


とにかく早く下山して、哲也の体を引き上げてもらわないといけない。


そう思うと毅の足は自然と早くなってくる。


大切な仲間があんなところに放置されているなんて、考えただけでも胸糞が悪くなってくる。


「なんでだよ……」


歩きながらつい口をついて出てきた言葉。


なんであんなところで死ぬんだよ。


せっかく死体写真を回避したのに、これじゃなんの意味があったのか……。


そこまで考えて毅は哲也の死に様を思い出した。


頭から血を流し、手足があらぬ方向をむいて雨に打たれていた哲也。


「やっぱり、おかしいだろ」


「え?」