自分はなにがあっても明日香の味方で、明日香を助けると決めたのだ。


1人殺しているんだから、2人でも3人でも変わらない。


「誰を……」


腕の中で泣きじゃくりながら明日香が聞く。


豊はゴクリとツバを飲みこんだ。


残っているメンバーは結、毅、哲也、大河の4人だけだ。


この中で毅と哲也は最も早く居なくなってほしいが、自分が殺すとなると相当な腕力が必要になって到底無理そうだ。


だとすれば残るは結か大河の2人。


天秤にかけることもなく、結が一番殺しやすいということになる。


「……結」


呟くように答えると腕の中で明日香がビクリと震えた。


明日香としては結を選ぶのは辛い選択肢だということを、豊も理解している。


でも、もう結しか残っていないのだ。


「わかった」


明日香は意外にもあっさりと頷いたのだった。