大河の言葉に哲也が顔を赤くして大股で近づいてくる。


しかし大河は動じずにジッと睨みつけた。


「さすがにお前たちのことはもう信用できない。ふたりにも写真が送られてきたけれど、それも回避されてるしな」


「だったらなんだよ! お前は自分が死ぬかもってときに他人を助けるのか!?」


胸ぐらを掴まれた大河は苦しさに顔をしかめるけれど、まっすぐに哲也を見返した。


「それはわからない。だって、俺にはまだ……」


メールが送られてきていないから。


そう続けようとしたときだった。


「キャア!?」


突然明日香が悲鳴を上げて大河は言葉を切った。


哲也も手の力を緩めて明日香へ視線を向ける。


明日香はポケットからスマホを取り出して青ざめ、小刻みに震えている。


悪い予感が結の脳裏をよぎる。


豊が慌てて明日香のスマホ画面を確認すると「嘘だろ、今度は明日香に届いた!」と、叫んだのだ。


さっきの嫌な予感が的中して結は呼吸をすることも忘れてしまう。