どこかで謝りたいと思っていた。


タイミングがあれば。


チャンスがあれば、また小学校時代のように仲良くなれるんじゃないかと考えていた。


だって由香里は転入してきてしばらくの間はニコニコと昔の笑顔を浮かべていた。


みんなと仲良くするために、前向きな発言をしていた。


それを奪い取ったのは、間違いなく自分たちだ。


グシャッと自分の頭部が潰れる音を聞いた静の目にはもうなにも写っていなかった。


光をなくした灰色の目が空虚へ向けられている。


そのとき、雨音に混ざって誰かの足音が近づいてきた。


静は見えない目をそちらへ向ける。


そこには死んだはずの由香里が立っていて、静へ向けて手を伸ばしている。


その手を握りしめようとしたら、自分の霊が体から引き剥がされているバリバリという不快が音が体内から聞こえた。


この体から離れれば私は死んでしまう。


まだ、今は生きているけれど、本当に死んでしまう。