続けて哲也がそう言い、毅を手伝って静の体をフェンスの向こうへと押しやる。


「やめて!!」


そこでようやく声が出た。


けれどそのときはもう静の体はふたりの手から離れていて、空中を舞っていた。


グラリと視界が反転して、頭から落下していく。


静の両手は虚しく空中を泳ぎ、次の瞬間にはグシャッ! と、自分の頭部が潰れる音を聞いていた。


毅と哲也は静が写真と同じように死んだのを確認して、何事もなかったかのように施設内へと戻っていったのだった。