「もう5時間を切ってる!」


よほど死にたくないのだろう、静はその場で地団駄を踏んでいる。


哲也は大きなあくびをしながらドアへ近づいてきた。


「安心しな。もう誰を殺すか決めてあるから」


哲也の言葉に静の顔に光が戻る。


同時に毅は微かに首をかしげた。


哲也からそんな話は聞いていなかったからだ。


「本当に!?」


「あぁ。もう屋上に呼び出してるんだ。一緒に行こう」


静は泣きそうなほど安心して大きく頷いたのだった。