その質問に結は答えられなかった。


なんとなく、毎日誰かに届くのではないかという予感めいたものがある。


だけど、もう届かないと信じたい。


結は答える変わりに布団から手を伸ばして明日香の手を握りしめた。


少し冷たい明日香の手を暖かな結の手が包み込む。


「もう、寝よう」


そしてひとこと、そう言ったのだった。