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4人で教室へ死体を移動して食堂へ戻ってくると、血のついた床は綺麗に掃除されていた。


さすがに美幸と静のふたりもなにかしなければと思ったんだろう。


けれどもう食堂にいる気分ではなかった。


一刻も早く部屋に戻って横になりたい。


眠ることはできなくても、体を休めたかった。


明日香とふたりで部屋に戻るとどこか寒々しさを感じた。


人がひとり減った部屋の中はだだっ広く感じられる。


「明日には雨が止むのかな」


布団の中で明日香が呟く。


「きっと止むよ」


結は力強く答える。


この長雨が辞めばきっと自体は好転していくはずだ。


助けが来て、ここから連れ出してくれる。


その頃には死体写真だって届かなくなっている。


根拠のない期待が胸に膨らんでいく。


まるでこの悪夢を連れてきたのは天からの前の仕業だとでもいうように。


「死体写真、明日は誰に届くのかな?」