死体写真2

そう言って席を立ったのは豊だ。


それに続くようにして匠も早足に食堂を出ていく。


みんなの輪の中に入ることはなくても、一応話は聞いているみたいだ。


そして数分後。


全員の手にスマホが握られていた。


結のスマホ画面にはアドレス帳が表示されていて、すぐにでも全削除ができる状態にしてある。


今までスマホのアドレスをすべて消すなんて考えたこともなかったし、消すのだと思うと少しだけ胸が痛む。


だけど、今はそんなことを言っている暇はなかった。


「いくぞ」


哲也がクラスメートたちに視線を送る。


大河が大きく頷き、そして「いっせーの!」という掛け声と共に全員がスマホのアドレスを全削除したのだった。