遊木くんの様子がおかしい




パンケーキを食べながらした会話の内容はほとんど覚えていない。

というかお互い意識し過ぎて当たり障りのないことしか話してなかった気がする。



パンケーキ屋さんを出て、人気の無い所を探した私達は屋上に上がる階段の踊り場に辿り着く。

文化祭になるとどこもかしこも人がいて、ここを見つけるのもやっとだった。




「ごめんね、こんな所まで来させちゃって」


「え…ううん! 全然大丈夫っ」




並んで階段に腰掛ける私達。

今からどんなことを話すのか、分かっているから落ち着かない。


ずっとそわそわしてるし緊張で汗が止まらないよ。


まるで私が“する側”みたいだ…。




「えっと……さっき言いかけたことだけど」


「……はい」


「俺、三島さんのこと好きなんだよね…」




隣から聞こえた鹿野くんの静かな声。


……やっぱりそうだった。

鹿野くん……私のこと好きだったんだ。


向き合ってないからどんな表情をしてるのか分からない。

でも、私の顔を見られないで済むからむしろありがたかったり。


ほんと、すごい、驚きだよ。

告白されるなんて初めてだ。


告白って、される側もこんなに緊張するんだね…。




「……さすがに気付いてた?」


「えっと……うん。文化祭一緒に回ろうって誘われた時にもしかしてって感じで…」


「だよね」




クスッと笑う声が聞こえて、私はようやく隣の鹿野くんの顔を見る。

するとバチッと目が合って。


私は恥ずかしくて思わず逸らしてしまった。



……鹿野くんの顔も赤かったな。

そりゃそう、だよね…。