遊木くんの様子がおかしい





「三島さん」




3年生のパンケーキ屋さんでパンケーキを待っていた中、真っ直ぐ私の目を見て名前を呼んできた鹿野くん。

びっくりして「は、はい!」と背筋を伸ばして反応してしまう。




「今日、2人で回ってくれて本当にありがとう」


「いやいや…! こちらこそ私なんかを誘ってくれてありがとうっ」


「“なんか”って…何言ってんの。三島さん“だから”誘ったんだよ」




クスッと優しく笑う鹿野くん。

目尻のシワがなんだか愛らしい。




「……鹿野くん、聞いてもいい?」


「いいよ」


「……なんで私を誘ってくれたの?」




バクバクと心臓が暴れて身体が熱い。

目の前に座る鹿野くんは自分の顎を触りながら、少しだけ照れる様子を見せる。




「うーんと……あはは、まぁ気付いてるとは思うんだけど…」


「……」


「俺、実は、」



「お待たせしました〜! パンケーキ2つでーす!」




鹿野くんの言葉が、明るい大きな声によって遮られる。

店員さんは私達の前にパンケーキを置くと、「ごゆっくり☆」と満面の笑みを向けてその場を後にしていった。



……た、タイミング…。




「…えっと、この話は後で話そっか」


「そうだね…」




私達はそんな気まずい空気のままパンケーキを食べ始めた。