――…
「恵美のそのメイクなんか似合ってるな」
「このゴスロリみたいなメイクが? 私ってそんなイメージなの」
前を歩く恵美と恵美の彼氏・翔貴くんのそんな微笑ましいカップルのやり取りを眺めながら思わず顔をニヤつかせる。
仲良いなぁ。
彼氏でもこうやって楽しく言い合えるの、すごく憧れる。
午後の部に入って翔貴くん、鹿野くんと合流した私達4人はちょっとだけ一緒に文化祭を回っているのだ。
「松本さんと彼氏さんって雰囲気とかもお似合いだね」
隣を歩く鹿野くんが爽やかな笑顔で私に言う。
私もそれにコクコクと頷いて「ね!」と全力で同意して見せた。
「憧れのカップル!」
「あはは、目がキラキラしてる」
そう言ってまた嬉しそうに笑う鹿野くん。
……キラキラしてるのは鹿野くんの笑顔の方だよ。
どうやったらそんな爽やかオーラを出せるの。
なんてそれぞれで話しながら歩き続けていると、目の前の恵美が不意にくるりと振り返った。
「てか次どこ行く?」
ほんとだ、決めてなかった。
……ていうか、そろそろ恵美達を2人きりにさせてあげたいな。


