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そんなこんなで始まった文化祭。
我が1組の出し物はお化け屋敷で、現在私は恵美と一緒に教室の外で受付係を務めている。
「今日恵美の彼氏はいつ頃来るの?」
「んーと、13時くらいかな。午後の部と入れ替わるくらいに来てくれるはず」
お〜いいねぇ。
恵美の彼氏って一回だけ会ったことあるけど、すごく身長高くて優しそうな人だったな。
長く付き合ってるし、すごく羨ましい。
「今日、ほんとありがとね宇紗子」
「ううん。2人で楽しんでおいで!」
「宇紗子も鹿野くんと楽しんでね」
ふふっと笑う恵美に私は苦笑いで返す。
そう、今日は午後から4人でちょっと回った後、私は鹿野くんと2人で文化祭を回るのだ。
嫌だとか気まずいとかそんなことはないんだけど、ただ単に少し緊張するというか…。
男の子と2人で文化祭回るなんて初めてだし。
「……ん、痛…」
ふと、片目に違和感を感じた。
目頭を少し擦っても改善されず、ゴミかまつ毛が目に入ったのかもしれない。
「どした?」
「いや、ちょっと目にゴミが入ったみたいで…」
「どれどれ」
じーっと私の痛む目を覗いてくれる恵美。
しかし見つけられないのか、うーんと唸って首を傾げてしまう。


