「宇紗子、変な男に捕まんないようにね」
「うん…! ありがと恵美」
「しつこい奴いたら絶対あたしが守るから!」
ぐっと拳を握る南ちゃんに思わず笑ってしまう。
と、そんな時。
隣の席に戻って来る遊木くんの姿が視界の端に見えた。
「なんか盛り上がってんね。祭り?」
そして遊木くんは私達三人を見回しながら声を掛けてくる。
なぜかその瞬間、嬉しさと焦りが少しだけ心に湧いた。
「聞いてよ遊木〜! 明日合コンあるんだけど欠員出ちゃって、絶望してたとこにうさぴょんという救世主が現れた!」
「へぇ。合コンとかほんとにあるんだ」
「男子組が北高なんだけどさ、中学一緒だった人が北高にいて、それでこっちとやってみよ〜ってなったの」
「北高かぁ。俺も友達いるわ」
「おー! まさか遊木の友達が合コンに来たりして〜」
「有り得るかも〜」
南ちゃんと遊木くんのそんなやり取りを眺めている間も
私はなんだかそわそわしてしまっていた。
遊木くんに「お前みたいなのが合コン行くの?」って思われてないかな…。
思われてないとは思うけど、なんか……私が合コン行くことに対してどう思ってるのか気になって仕方がない。
「そーだ! 男子のアドバイスとして、合コンで好印象になる為にはどうすればいいか教えてよ!」
「え、俺が?」
「あんたしかいないよ」
「俺合コン行ったことないけどな〜」
「イメージ! なんかない?」
うーんと考える仕草をする遊木くん。
すると
そんな遊木くんとバチッと目が合った。


