「……遊木くんが私に意地悪したりするのは、反応が面白いからだよね」
「まあね」
「(…やっぱり)」
「他の奴にも「そんなちょっかいかけて三島さん迷惑がってない？」ってよく言われる」
えっ。
そんな、迷惑だなんて…！
「「隣の席だから大丈夫〜」って答えてる」
「……と、“隣の席だから”って……
それ納得してもらえてる…？」
「いや全然」
…だろうね。
理由になってないもん。
まあ実際迷惑がってないから私は大丈夫なんだけど。
「……男子間で私の話題も出るんだね。ちょっと恥ずかしい」
「俺が絡んでるからかな。気を悪くしたならごめん」
「いやいや！ そういうのは全然大丈夫！」
遊木くんや皆が私の悪口とか言ってるって思えないし。
私を含め、周りの皆もあの男子グループにはそういうところもあって割と好印象だったりする。
「恥ずかしいけど、なんかちょっと嬉しかったりもするし…」
「ふーん？ 変なの」
グサッ。
……そっか、変か…。
「三島ってやっぱ変わってる」
「…あはは、ありがとう…」
「“ありがとう”って。あはは、お礼言っちゃうんだ」
また「変なの〜」なんて言いながら目を細めて笑う遊木くん。
……遊木くんの方が変だと思ってたけど、
なんかそう言われると……私もほんとに変な気がしてきたよ。
