「改めまして、卒業おめでとう」 「あ、ありがとうございますっ」 彼の言葉にペコペコと頭を下げる。すると蓮さんは「……ねぇ、美宙ちゃん」と私を呼ぶ。 「……はい」 「花ヶ崎の校則は【恋愛禁止】だよね」 「そう、ですね」 「今日は、卒業式で。晴れて高校を卒業したわけだけど……もう、我慢しなくてもいいんだよね」 「……っ……」 次に来る言葉が、私と同じ気持ちだといいなと思いながら私は蓮さんの言葉を待つ。 すると彼は、真剣な表情を見せた。