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「どうぞ、ごゆっくり」

「……ありがとうございます」


 動揺する中、志侑さんには上がってもらい上がってもらう気満々だったお姉ちゃんによって向かい合って座っていた。


「……ど、どうして、家に?」

「お姉さんが朝来てくれてね、訪問する許可をいただいたんだよ」

「お姉ちゃんが……」


 だからプリンをお土産って言ってたんだ。お土産なんて珍しいなぁって思った……


「志侑さん、あの、私……ごめんなさいっ」

「えっ、なんで謝るの?」

「だ、だって。あの日、勝手に帰ってしまったから」

「そんなこといいよ。俺、怒ってない」


 志侑さんは前と変わらない笑顔を見せて「今日は、伝えたいことがあって来たんだ」と言った。

 伝えたいこと……?