***


 みよりちゃんと連絡が取れなくなって一週間。
 傷も癒えて来……るはずもなく、俺は青空マーケットで開店作業をしていた。いつもなら、開店前のこの時間にみよりちゃんはやってくる。だけど、今日は誰も来ない。人の気配すらないのだ。


「……はぁー本当にどうすれば」


 そうブツブツ言っていれば「すみません」と後ろから声をかけられる。


「おはようございます。水無月志侑さん、ですよね」

「はい。そうですが……どなた様でしょうか?」

「私、瀬名みよりの姉です」


 え、お姉さん? お姉さんがどうしてここに?
 やっぱり、傷つけたのか……俺。もしかして、もう近づくな的なことを言われるのか?