「――俺は、あの子に何かしてしまったんだろうか」

「あの子って、お前が珍しく夢中になってる十歳年下の女の子?」


 俺は机に顔を付き、項垂れていた。ここは、よく行くBARで今日も友人の和樹と一緒に飲んでいる。

 せっかく、デートまで漕ぎ着くことができていいかんじだと思っていたのに……


「あー……もう、だめかも。俺、頑張れない」

「仕事はしろよ」

「わかってる、仕事はするよ。だけど、もうあそこには行けない……」

「は? 言ってることとちげーじゃん」


 わかってる。わかってるだけど。
 だけど、本当に、みよりちゃんが好きなんだよ。
 人生初めての一目惚れで、今まで流されるように女性と付き合ってたけど、自分から女の子を好きになったのも初めてなんだ。

 だからか、ダメージが強すぎた。