「あー……間に合わない!! やばーい!」


 一軒家の二階で私は叫んだ。目の前にはほぼほぼ、真っ白なパソコンの画面。横にある卓上カレンダーには締切日が赤丸でつけてあってあと一週間もないことに気づいてしまう。


「あーどうしよう! 文字が出てこないし!」


 部屋の床に寝転がりゴロゴロ転がりながら唸っていると、下から「うっさいわ!」と怒鳴りにお姉ちゃんがやってきた。


「あんたの声、近所さんに聞かれてるからね! そんなにウダウダしてるんだったら、プリン買っておいで!」

「……へ? プリン?」

「うん。あの、小学校過ぎたあたりに空き地があったでしょ」

「あ、うん。あったね」

「そこで、たまにキッチンカーで青空マーケットみたいなことしてるらしくて今日の出店がプリンなのよ」


 お姉ちゃんはチラシを手渡す。そこには、【水無月さんちのプリン】とドドンと書かれた文字に美味しそうなプリンの写真が載っていた。それにドリンクメニューもあるらしくそれも写真がある。