「サクラ様! ご結婚おめでとうございます!」
「ありがとう、アメリさん! 今日はよろしくお願いします!」


 とうとう今日は私とカイルの結婚式だ。嬉しいことに空は快晴。ちょうど良い暖かさで、窓を開けると心地よい風が吹いてくる。


「この天気だと、お庭での結婚式も気持ちよさそうですね」
「風も強くないし、みんなで楽しめそう!」


 ひそかに憧れていたガーデンウェディングを叶えるべく、私が司教様にお願いしたのだ。この国では東屋やテラスでお茶をすることはあっても、庭で会食をすることはない。そのうえ結婚式を外でするなんて考えたこともない司教様はかなり戸惑っていた。


「最初は私も外で結婚式を? と驚きましたが、お庭はサイラの花も満開ですしすごく素敵に飾り付けされてましたよ」
「本当! 嬉しいなあ〜」
「ブルーノさんってちょっと乙女なところがありますでしょ? だから彼がかなり張り切ってリボンやレースで会場の準備をしていました」
「あはは。そうだった。ポプリ作りも上手だしね。それで? 二人は気持ちを打ち明けたのかな?」


 結婚式の準備で忙しく、アメリさんとこんな恋の話をするのも久々だ。すると彼女はポッと頬を染め小さな声で「今日言おうかなと思ってるんです」と呟いた。