「サクラ、僕が呪いを解いたから体調が良いでしょ〜」
「聖女サクラさん、私のことはわかりますか?」
「お、おじいちゃんだよ……覚えているかい? サクラ」


 寝ている間に師匠が一度目の召喚からの日々を説明したようだ。アルフレッド殿下は戸惑い、司教様は私に「おじいちゃん」と呼ばれていたことを知って顔を赤らめている。


「もちろんです! ようやく皆と話せる! やった〜!」


 いつも以上に元気になった私は勢いよく立ち上がり、さっそく話し始めた。


「師匠! 呪いを解いてくれてありがとうございます! それに体調もすごく良いです! あとアルフレッド殿下のこともわかりますし、司教様をおじいちゃんと呼べるのが嬉しいです!」


 今までずっと無言だった私が急にベラベラと話し出すのに戸惑うかと思ったけど、皆はそんな私を見てわっと歓声をあげた。


「おお! 気を失ったから心配したが、ここに来た時より顔色も良くなっておるな! じいちゃんは嬉しいぞ!」


 ただ私が話しているだけなのに、皆ものすごく喜んでくれている。その光景が嬉しくて周囲をぐるりと見回すと、暗い顔で私を見ている二つの視線に気づいた。