わたしが2級にランクアップした日の夜。


「見て見て、俊くん」


わたしの制服の胸元には、2級を意味するシルバーのバッジが。


「わたし、2級になったんだよ」

「もうそれ言うの何回目だっつーの。さっきも聞いた」

「バッジ、ブロンズからシルバーになったの。ほら、いいでしょ」

「はいはい。そんな何回もバッジ見せびらかさなくて良いから。菫様、しつこいです」


わたしは初めてランクアップできたことが嬉しくて、寮の部屋に帰ってから俊くんにそのことを話していた。


「つーか、2級くらいで喜びすぎだよ。オジョーサマ」


正直自分でも、かなり浮かれていたと思う。


「でも、よく頑張ったな菫様」


ずっと鬱陶しそうにしていた俊くんから、突如ふわっと頭を撫でられた。


ちょっと、不意打ちはダメだよ俊くん。


胸がくすぐったい。


「今日は初めて菫様がランクアップしたお祝いです。何が食べたいですか?」