「神崎流は特殊な血を持っているんだ。妖異霊体から、一切攻撃を受け付けないっていう。だがその特異性ゆえ、子が生まれにくいということがある。確か月音の周りで兄弟がいたのは、月音の曾祖父だったはずだ。そのため血が濃くなって身体が弱くなる可能性のある血族婚は問題外。そして守護されている血を護るため、他流派とも婚姻は結ばずっていうことだ。神崎家の家業も理解した者と婚姻を結んで今まで繋いできたから、俺のことを知っているからと言って、俺の花嫁にするなどありえないな」

「そうなんだ……なんっか、複雑だなあ」

白桜の話も、半分わかったようなわからないような……だ。

だが煌は小さな頃から妖怪や幽霊がみえていたので、陰陽師の存在や特別な血筋というものに疑いの目を向けることはない。

世の中の『常識』では片付けられない事象はたくさんある、と。

白桜の言葉を理解しようと考えはじめた煌に、ふっと白桜が続けた。

「だから小田切は、月音の相手に合格圏だぞ?」

「……へっ?」

相手? 合格圏? ……なんの話だ?

「月音は競争率が高くなるぞ。今のうちにつかまえておけ」

「……はっ?」

にやっとした白桜に、煌は頓狂な声を出してしまった。