「ごめんなさい、えるさん。でもね、お友達になりたいというのは本当なの。それも、とーっても仲良しなお友達に、ね?」
艶やかな黒髪をたなびかせ、ひどく妖艶に微笑む榊さんが、わたしと同年代とは到底思えない。
わたしの周りにいるアルファって、誰も彼も年相応な性格をしていないんだよなあ。
「だから────あたしに服従して?」
瞬間、榊さん以外の背後にいるふたりが、勝ち誇ったような顔をした。
どこぞの王様のような偉そうな言葉に、素直に従う人がいるのか、と人は疑うかもしれないけど、存外従ってしまう人もいる。
それも、自分の意思とは関係なく。
実際、しばらく言いなりになってあげてもよかった。あまり目立たない方がいい、という配慮と思惑があったから。
でも、若サマにとってはわたしを目立たせることが重要で、かつ、格の違いを教えてこいとも言っていた。
……だから。
「え、嫌です」
その誘いを、一刀両断して切り捨てた。



