うそつきな唇に、キス





「前から気になっとったんヤけどさあ、」




爛々と目を輝かせた睿霸はわたしをジッと凝視し、………否、わたしの背後、を凝視して。




「えるちゃんノ髪!!そレどないなっとん?!」

「ど、どんな、とは、」

「黒かラ白に変わっとるそれ!!」




そう言われて、そういえばわたしの他にこんな髪色した人いないなあ、と改めて思った。

わたしの育った特殊な環境ゆえかと思っていたけど、普通にわたし自身の髪色が特殊だったらしい。




「それ地毛ヨな?!」

「……わたしの髪、そんなに人工毛髪に見えますか?」

「見えへんけドお!!」




はらり、垂れてきた髪の一部を手に取り、毛先を光に翳した。

伸び始めている時は確かに夜に紛れる漆黒なのに、毛先からおよそ10センチほどの空間だけ、異色の〝白〟が陣取っている。


産まれた時は、こうではなかった。

育っていく過程で、なぜかこんな変な色が混じるようになってしまったのだ。

理由は不明。わたしを育てていた人たちも、これには特段興味がなさそうだったので、原因はわからずじまいだった。

ただ、一度目立つのはどうかという声があがり、白くなった部分を切り離したことがあるのだけど、切っても切っても必ず10センチほどの空間が伸びるそばから染まっていくので、その人たちもやがて諦めていったことがある。