うそつきな唇に、キス





あまりに突飛で、かつ真面目な顔をして言っていたから、一瞬わたしの脳の処理が止まった。


え、へんがお?朝顔とかではなく?へんがおって、漢字変換すると変顔、だよね?たぶん。え、そのへんがお?なんで急に??



「え、なんで変顔するんですか……?」

「若を爆笑させる」

「爆笑」

「普段あんまり変なことシとらん僕らが渾身の変顔晒したらいけるやろ」

「変なことしてない……?」

「一発芸も考えたけど、俺と喵様じゃ気が合わなさすぎだし」

「気が合わない……???」




若サマを爆笑させる、の方にももちろん驚いたけど、その後の普段変なことしてないとか、気が合わないとかの方に全部意識が持っていかれてしまった。

え、睿霸に至っては基本変なことしてるし、思いついたことが同じなら、かなりふたりの気は合っているのでは……?




「変顔いつぶりだろ。泣き止ませるために晒した以来だから……」

「僕変顔自体ガ初やから、上手く出来ひんかった時は側近くんフォローよろ」

「俺に丸投げしないでください……」



頬をびよびよ引っ張っていたり、口をすぼめたり口角の準備運動のようなことをしていた睿霸と琴を、終始呆れた眼差しで見つめていた若サマは、わたしにどうにかしろという意味を秘めた視線を送ってきて。



ええ……、若サマが止めてくださいよ。

……そもそもあいつらを焚きつけたのはえるだろう。

焚きつけ……、たかもしれませんが、そもそもあまり表情を出さない若サマが悪いのでは。



……なんて、多少の補完は入っているかもだけど、そんな会話をお互い理解して。


そんなことをしていたら。