「わらっ………、………?」
「ホえ……?」
「あわっ、」
ぽけん、と両目と口を大きく開けたふたりは、まるで〝笑う〟という言葉を忘れてしまったかのようにクエスチョンマークで顔を埋め尽くしていて。
その衝撃か、睿霸が手に持っていたスマホをつるりと滑らせ、それを視界の隅で捉えたわたしは慌てて床とスマホの間に手を滑り込ませた。
「ちょっ、気をつけてください、睿霸」
「へ、え、ア、うん、あり、がとお……」
「あの睿霸でも脳の処理速度が追いついてないんですか……」
わらう、わらう、嗤う……?と、なんだか違う意味で変換してそうな琴と睿霸の呟きを、拾おうか拾うまいか思案していたら。
「……うしっ、」
「牛?」
「……よっシゃ、やるかあ」
「え、何をですか?」
腕を伸ばしたり指をぽきぽき鳴らし始めた琴と睿霸を首を傾げて見上げると、初めて見るほど真剣な顔つきをした琴が、言った。
「決まってるだろ。やるんだよ、変顔を」
「へんがお」
「まあやったことあラへんけど」
「したことない」



