うそつきな唇に、キス





どの辺が気まずげなんだ……、とふたりが俯く若サマの顔を覗き込むように身を屈め、それと反比例するように若サマは顔を上げた。

たぶん、顔ちかいって言いたいんだと思う。

あと、




「ふたりの顔がうるさいって言ってますよ……」

「それはさすがにわかる」

「いくら僕ラでも若くんが嫌がっとることくらいはわかる」

「じゃあなんで顔近づけたんですか……」




呆れながらふたりを見ていたら、体勢を戻して腕を組んだ琴が若サマをジッと見つめて独りごちた。




「でも、若がえるの言うこと否定してないってことはつまり合ってるってことなんだよな……。違う場合はすぐさま脊髄反射の勢いで否定する奴だし。何言ってんだコイツって目つきで」

「そレはえるちゃん相手の特別仕様やろ?僕ら含メたその他相手やったら合っとっても何言うとんのコイツいう目するやん」




……まあまあ失礼なこと言ってるの、気づいてないのかなあ。

若サマは特に気にしてないようだから、わたしもわざわざ言及しないけれど。




「……えるから見れば、今若の表情は変わってるのか?」

「いえ、先ほどからおふたりに〝おれの表情の変化がわかっているのならば、お前たちはとっくにおれと喋る行為をやめている〟と言っています」

「これ俺殴ってもいいやつか???」

「僕は泣き喚いテもおけ?????」

「収拾がつかなくなるのでやめてください……」