「……え、イや、え???何このノ沈黙????普通こういう時は矢継ぎ早に色々質問するモんやないと????」
「たぶんアレっすね、予想外にお互いの質問に対する許容範囲が広そうなので、何からすればいいのかわかんなくなってるやつだと思います」
「そんなバグみたいナ沈黙あるんか……」
授業とは違い、今は隣同士になっている睿霸と琴がなんだか仲が良さそうに話している。
……このふたり、根は合わない同士なんだろうけど、変なところで波長が合うからなあ。
「……まあとりあえず、このままじゃ話進まねえし、えるから質問したらどうだ?多少くだらなかったり今更なもんでも若なら答えるだろ」
「そ、うですか?それでは、えっと………、…………うーんと、……若サマ、好きな動物とかっていますか?」
「本当に今更な初対面同士の自己紹介の時みたいな質問し始めた……」
突如として顔を覆った琴が、何やら手のひらの中でぼそぼそ言葉を吐き出しているけど、正直それを気にしている暇はない。
そして、素朴も素朴な質問に対し、若サマはぴくりとも表情を変えず、たった一言。
「……特にない」
そう、返した。
「えと、好きな音楽とか、」
「特にない」
「んーと、好きなスポーツとかは、」
「運動は極力したくない」
「では好きな色とか、」
「返り血が目立たなければ気にしない」
「……………、」



