うそつきな唇に、キス





睿霸が重々しく、厳かにそう宣言し、刹那の沈黙が落ちる、


……が。




「えっと、……こんな形式張ったものではなく、わたしはもっと軽いものだと思ってたんですけど……」

「えるちゃん早速空気ぶち壊してクんのやめてくれるかなあ?!」




わたしの放った何気ない一言で、その沈黙は容易く破られた。




「だって、そんなに仰々しい質問をするわけでもないので……」

「しテやあ!!仰々しかッたり物騒やったり核心つく質問!!!!」

「ええええ……」



睿霸の駄々のようでいて、その実全く心がこもっていない言葉に引いていたら、若サマが短くため息をついた。



「える。喵の言うことは基本気にするな。それは放っておけばいい」

「若くん相変ワらず僕の扱いが雑!!」

「……では、若サマもわたしに何かご質問があれば気兼ねなく仰ってください。わたしだけ伺うのもフェアではないですし、わたしがわかる範囲内であれば、出来うる限りお答えします」

「えるちャんも急に僕を無視するやん!!」



まあ今回はただの立会人やけどお!と声を張る睿霸がまるで見えていないかのように、わたしだけを視界に映す若サマは、本当に睿霸に対して容赦がない。




「……わかった」

「えっと、では、何か質問を………、」

「……………、」

「…………………、えー、……」




……どうしよう。最初は何か軽い質問を、と思っていたのだけど、何も思いつかない。