うそつきな唇に、キス





やばい人というか、変な人というか。

……なんていうか。




「…………変人、」

「ぼそっと言ウた声ちゃーんと聞こえとるで」

「そこは別に聞かなくていいんですよ。というか、本当に急がないと若サマにいろいろ聞かれちゃ、」




そう、続きを紡ごうとした声は、キーンコーン、なんていういつまでも聞き慣れない音に遮られ。

ぱちぱち、ふたり同時に目を合わせて、瞬かせて、……やがて、はあと揃ってため息をついた。




「……ああ、若サマと琴に怒られますね……、睿霸が」

「僕ガ?!?!?!えるちゃんやナくて?!?!?!」

「だってあのふたりなら、わたしと睿霸が連れ立っていた場合、ほぼ9割睿霸側に非があると考える思考回路してるじゃないですか……」

「ほんっっっっまそうやネ!!!!」




後方保護者面モンスター怒らせたら怖いんやけど……、とぼやいて遠くを見つめる睿霸の肩を、そっと支え直した。


……まあ、今回はわたしが白棟の生徒に喧嘩を売られたり売ったり、……いや脅したり、睿霸に喧嘩をふっかけたりして時間を使ったから、もしふたりに何か詰められてたら庇わなきゃ、な。

遅れたのはわたしだけじゃないし、そもそもの原因は大概わたしという存在にある。