そんなことを思っていたからか。
「……どうして、笑ってるんですか」
つい、聞くつもりのなかった言葉が、口をついて出た。
「え、僕今笑っとッた?」
まるで無意識だと言うように口を手のひらで覆った睿霸は、口角をむにむにと手動で戻すような動きをするも、もちろん戻るはずがなく。
困ったように、呆れたように。
あるいは、諦めたように、眉を下げた。
「……えるちゃんが、残念やて思ってたくれたことガ、結構うれしかったんやと思うわ」
「……??」
「ははっ、訳わかラんっちゅー顔しとる」
けらけら、ころころと笑った睿霸は、わたしの肩から頭を肘置きにするように手を回して。
そっと、笑みを携えて見下ろした。
……わたしが見下ろされる時に、ついぞされることがなかった類いの笑みを、浮かべて。
「……えるちゃんが、僕をころスことを残念やて、僕をころしたない、て間接的にでも思ってくれとったことが、うれしかったんよ、」
「……………、なるほど、」
わたしの言ったことは、睿霸にとって、そういう意味に変換されるんだ。
……と、いうか。睿霸なら、
「わたしが睿霸のこと、殺したいとか思ってても喜びそうな気がします……」
「えっ、それは言うマでもなく嬉しいに決まっとるやん何言っとるんえるちゃんとやり合うなんて名誉以外の何者でもあらへんよ」
「いきなり早口……」



