いまだわたしとぶつかった額を庇うように手のひらで覆う睿霸の眼前に、スマホの画面を突きつけた。
「どうして、送られてきたメッセージが見当たらないんですか?」
「……そリゃ、僕が消したからやけど」
どこか気まずそうに目を逸らしてぼそぼそと言葉を落とした睿霸に、きょとりと首を傾げた。
「……なぜそんなことを?」
「…………、まあ、正直あれだけやとえるちゃんの事情とかミリもわからんやったケ放置でもええかなと思ったけど、なんとなーく若くんには見せたらあかん気したけ、消した」
付け足すように、あと、えるちゃんスマホ音痴やけ消し方わからんかなと思って、とささめき落とされた言葉に、ぱちくりと瞬きをして。
「……もう、紛らわしいことしないでくださいよ、」
苦笑いをしながら、スマホを差し出した時のまま伸ばされていた睿霸の手を、引っ張り上げた。



