うそつきな唇に、キス





「ほーんと、あん時は若クんの圧でころされるかと思ったわ。開口一番、えるはどこだーって問い詰めてきて、それからどこだbotなんか?っちューくらいそれしか聞いてこうへんし、さすがの僕でも若干恐怖覚えたんやで?」

「それは若サマからの着信をガン無視した睿霸が悪いと思います……」




大元の原因は睿霸自身なんだから、今回ばかりは若サマに非はない。


そう言いながらスマホを開いてみると、不在着信の他にもかなりの量のメッセージが来ていた。こちらは若サマより琴の方がいくらか多い。

……と。


そのアプリが並んでいるホーム画面に、見覚えのないアイコンがいくつか並んでいて。




「……あの、これって睿霸の仕業ですか?」

「えらい嫌な言い方やなア、まあそうなんやけど。えルちゃん、ちゃーんとパスワードはかけなダメやで。さもないと僕みたいなヤつに悪用されてまうよ?」

「……パスワード、面倒なので」

「ぶはっ、えるちゃん、ほんま若くんミたいやなあ」




わたしを覗き込んだ睿霸はニコリと微笑んで、手の中にあるスマホをこつんと指で叩いた。




「どれもえるちャんに教えたったゲームのスマホ版やけ、これならえるちゃんにもできるやろ?」

「……あの、スマホとコントローラーじゃ、操作性がだいぶ違うと思うんですけど……?」

「また僕はえるちゃんにいチから教えんといかんのかあ……」




はあ、とため息をつく睿霸。

その首元に、自然と視線が揺蕩った。


…………、………。




「睿霸」

「ン?」

「もしかして、アレ、見ました?」