うそつきな唇に、キス





「る、睿霸、」

「ン?どシたと?」

「この、不在着信っていうのは、なん、ですか?」

「えッ、えるちゃんそれも知らんと?……不在着信は、えるちゃんがかかってきた電話に出られんかったっちゅー意味ヤよ」

「出られなかった、電話……」



その時、ふと思い出した。

車の中でけたたましく鳴り響いていた、聞き覚えのある着信音を。


慌てて〝わかさま〟からの不在着信の日付を見たら、やっぱり当たっていて。




「……あの、もしかして、カジノに行った日に睿霸がガン無視していた着信音の正体って……」

「ア、バレた?いやあ、まーさかあんなタイミング悪く若くんが起きルとは思わんでなあ。ちょイと無視してもうた」



えるちゃんが電話に出んとわかったら、今度は僕の方に鬼電かけてきてさあ、もうブチ切れとったんやからなあ?

なんて、ひどく楽しそうに語る睿霸と若サマ、これは一体どちらに非があるのだろうか。



「……その時に、わたしの居所も教えたんですね」

「まあ、あれ以上若くんをブチ切れさセても僕に得ないしなあ」



これで、ようやく辻褄が合った。

あの日、若サマは偶然、たまたま、奇跡的にあんな場所を車で走っていたんじゃない。


睿霸からわたしのいる場所を教えてもらって、あそこに来たんだ。