わたしの言葉に、睿霸はどこか遠くを見るような目をして嘆息を漏らした。
「あー、それなあ、僕も若くんに言ったコとあるわ。あれやったら僕ガこれ消したろか?って。けどなあ、〝お前に借りをつくる時は、おれがお前の弱味を握った時だけだ〟なあんて言われたんよ、ひどいと思ワん?!僕純粋なる厚意で言ったんやけド!!」
「妥当な判断だと思います」
「ほんっとえるちゃん、着実に若くんに似てキとるなあ?!」
先程よりももっと肩を落とした睿霸は、呆れた顔をしながら、っちゅーことやから、と言葉を続けて。
「一応消せるには消せるけど、若くんが放置のスタンス取っとるかラ、今んところ七席の全員この情報に関してはどうこうする気ないと思うで。自分らも若くんの問題に巻き込まれたナいやろうし」
「そうですか……」
若サマがそういう姿勢なら、わたしの方も何も口出しすべきではない、ということはわかっているのだけれど。
……すこし、気になる。
なんてことを考えながら、睿霸が見せてくれたその掲示板を見つめていたら。
「あ、ソや。まーた忘れるとこやった」
ふと、何かを思い出したように睿霸がごそごそと懐に手を入れて、見覚えのある物を取り出した。
「これ、ええ加減えるちゃんに返サな思っとったんよ」



