うそつきな唇に、キス





「校内での殺害は、ある意味その特定の相手ではなくても殺してしまえる、という事実に他なりません。その人の次は自分かも、と思う人は不特定多数いるでしょう。特に黒服の人はそれが顕著だと思います。……だから、次自分が狙われてしまうかもしれない前に、その相手を排除しようとして、例え自分が標的でなくとも手を下す、という流れが出来上がると予想します」




ぷらぷら手を揺らされながら見上げた睿霸は、繋がっている手をパッと上げて満面の笑みを浮かべた。



「正解正解、だイせいか〜い!訂正するとコあるかなあ思っとったけど、全然ないやん。……えるちゃんが言うた通リ、そういう流れが暗黙の了解の如く出来とる現状、例え表側の連中とて多少怒らせたくらいジゃなんもしてこんよ。もしんなことしてみ、こっち側の人間から袋叩きに遭ウこと間違いなしや」



やから、報復の類は気にせんでええよ、と笑った睿霸は、すぐににこりとどこかわざとらしい微笑に変えて。



「っちゅーか、えるちゃんほんまこっチ側に関して知らん事多いなあ。逆になンなら知っとると?」

「え?……えっと、やられたら、気が晴れるまでやり返せっていう信条が共通常識、……くらいでしょうか?」




そう教えられたことを呟いたと同時、なぜか睿霸が唖然とした表情で見つめ返してきた。




「ちょっ、いちお聞いとキたいんやけど、それ、どこ情報……?」

「……?琴からこれだけは知ってたらいいから、ってこの前教えられました」




確か、睿霸のところから戻ってすぐに言われたことが、それだったはず。