うそつきな唇に、キス




額を手で押さえて、若干据わった目を何処かへ向けている睿霸は、眉を下げてわたしを見下ろした。




「えーと、まず質問なんやけど、えるちゃんは僕らがココに来とルこと、疑問に思わんかった?」

「それは……、前々からなぜだろうとは思ってました。お三方ともお忙しい身であるはずなのに、律儀に学校に来るなんて何か理由があるのかなと……」




わざわざ学校に赴くほど会いたい人や、話したいことがあるのかとも思ったけど、3人の淡白な日々にその選択肢はすぐ除外せざるおえなかったし。

あと、何か学校に来る意味があるとするならば──────、




「………もしかして、ここも中立地帯(・・・・)だったりします?」

「ほボほぼせーかい。えるちゃんほんまに察シいいなあ」



どこか機嫌が良さそうに口角を吊り上げた睿霸は、まあでも、ちょい修正するとこがあるんやったら、と前置きをして、言う。




「中立、やなくて、安全、に置キ換えた方がもっと的確やな」

「え、安全地帯、ですか……?」




その言葉に、素で驚いた。

だって、こっち側に真の意味での〝安全〟など存在しないと思っていたから。