「えっ、えるちゃんドないした?!マさか眩暈とかっ、」
「あの睿霸、ここから入れる保険ってありましたっけ……?」
「えるちゃんはもう若くんっちゅー最強ノ保険入っとるやん何言うとんの……」
睿霸のところで学習した質問に、まさかの脊髄反射かの如き速さで返された。
こんなところでレスポンスの速さを存分に発揮してもらわないでいいのだけど……。
なんだかため息をつきたい気分でいると、睿霸はわたしに合わせて屈み、顔を覗き込んできた。
「血は、もう止まっとるみたイやな。……デ、ほんまどないしたん?」
「いや、その、あのお……、自分がしでかしたことを冷静に俯瞰した結果こうなってしまったというか……。ちょっと謝罪……、は、行きたくないですけど、」
「いやそれはぜっっっっっっっっったいに行かんでええっちゅーか行ったらアかんよ」
行ったら僕発狂してまうかもしれん、なんて言葉、至極真面目な顔で言うことじゃないと思う。絶対。
「なんでそないに落ち込んドるん?別にちょーっと普段のえるちゃんと表情とか言動がちゃうかっただケやん。僕はどっちかっちゅーと、怖いに似た驚きのほうがたぶん近かッたし。あんま気にスることでもないと思うけどなあ」
「いや、気にしますよ……」
だって、だって……。
「今度無茶なことしたら、若サマと琴にGPSつけるぞって言われてるんですよ?!」
「それは僕モ大賛成」
瞬間、ほぼ反射的に目の前にあった睿霸の額へ思い切り頭突きをしていた。



