うそつきな唇に、キス





辿々しい言葉、合わない視線。躊躇うように口元が歪む仕草。

それら全てが、わたしに睿霸の言葉が嘘ではないと伝えていた。



「え、……こわかった、ですか」



だからこそ、驚いたのだ。

怖いものなどない、逆に相手を恐れさせる存在である彼が、わたしに恐怖を抱いたことに。


けれど、この驚きは、次の睿霸の言葉で別の驚愕へと変換される。




「やって、サあ……、……えるちゃんが怒っとる姿、若くんみたいやったけ」

「わ、若サマ?」



え、そんなことを思われるような言動、してたかな……。

そう思っていたら、睿霸に信じられないものを見るような目で見下ろされた。



「えっ、自覚ナいと?!あんダけ容赦なくアレぶちのめしといて?!」

「そっ、そんなに、でしたっけ……?」

「そうやデ!よう思い出してミ?!さっキの自分の言動!」



そう言われて、改めて思い起こす。

つい数分前の、自分の言動を。



そして──────、




「…………、」

「え、えルちゃん……?」

「……………すうーーーーーーーーー、」




己のやらかし具合に、思わずその場で膝を抱えてうずくまってしまった。